学院の特色

1.多彩なメンバーが切り拓く知のフロンティア

在籍する大学院生は,ビジネスパーソン,公務員,本学経済学部出身者,本学他学部出身者,他大学出身者,外国人留学生など,多様で幅広いバックグラウンドを持っています。

大学院での経験を実務に生かそうとする人や,研究者を志す人など,入学の目的もさまざまです。

研究科の特色イメージ関心や背景が少しずつ異なる大学院生どうしが,講義や演習はもちろん,オフタイムやインフォーマルな場面でも積極的に相互作用することは,自らの経験や知識を捉え直すための非常に刺激的な体験です。同時にこの体験は,大学院修了後も長期的に持続し発展する貴重な人的ネットワークの構築を促すでしょう。

経済学院では,バラエティに富んだ大学院生がひとつの「場」を共有しつつ講義,演習,ワークショップを受講しています。こうした多様性は,自分ひとりでは得ることのできない視点や複眼思考を獲得し,<知的ブレークスルー>を実現するための重要な役割を担っているのです。

2.知的スキルの涵養を促進するインタラクティブな複合教育

大学院で学ぶ目的は,「テクニカル」「ヒューマン」「コンセプチュアル」の3側面からなる「知的スキル」の向上を実現することに他なりません。

経済学院の教育システム(講義・演習・ワークショップ)は,これら3側面をバランス良く強化し知的スキルの涵養を可能とします。講義では,知識や論理構成力の獲得を通してテクニカル・スキルの獲得・強化が可能です。同時に,講義課題達成のための共同作業や,課題報告のプレゼンテーションを通じて,自らの思考を分かりやすくかつ説得的に伝達するための「ヒューマン・スキル」の向上が図られるでしょう。

演習やワークショップでは,修士論文や研究成果報告書の執筆のための指導が中心となります。少人数で行われる演習では,指導教員や他の大学院との濃密な学問的交流を通じて,また,修士論文や研究成果報告書の作成プロセスを通じて,大きな構想力やコンセプトメイキングの力,すなわち「コンセプチュアル・スキル」を身につけて下さい。

知的スキルの構成要素図解

Workshopという場

大学院生がひとりの指導教員に師事して「教えを<乞う>」というのが,これまで大学院での伝統的な研究指導スタイルでした。この「マン・ツー・マン」方式では,どうしても視野や考え方が狭くなりがちですし,指導教員の研究テーマや研究スタイルに縛られてしまう恐れもあるでしょう。もっと幅広い視野を持ち,より優れた研究能力を備えた人材を育成するため,わたしたちは「ワークショップ」方式による研究指導をとり入れています。
複数の教員と複数の大学院生が一堂に会する「知の実践の場」,それがワークショップです。本学の教員・大学院生はもちろん,全国・海外の研究機関から一流の研究者を講師として招聘することも少なくありません。学内外の研究者集団との議論に参加すれば,研究対象や所属専攻の違いを超え,研究創造の最前線を共有することができます。専門領域や学問的関心が異なる教員集団から,多面的かつ積極的な学問的刺激を受けることができるのがワークショップの魅力です。
また,自身の研究に関するプレゼンテーション(研究進捗報告)を行えば,ある教員からは方法論を,別の教員からはロジックの立て方を,さらに別の教員からは適切な事例やフィールドを,というように多くの有意義なコメントやアドバイスが得られます。同時に,他の研究者の研究進捗状況にも触れ,良い意味での「ピア・プレッシャー(peer pressure)」にさらされることは,自らの研究のクオリティや生産性を高めることにもきっと貢献するはずです。

3.都市機能と豊かな自然が融合した基幹総合大学

総合大学

研究科の特色イメージ(構内を自転車で移動するイメージ)経済学・経営学に関する専門的な研究活動にとどまらず,学問分野・地域・国籍にとらわれない幅広い知的活動を行うことが可能です。

北海道大学には,日本の基幹総合大学として最も多い12の学部,21の大学院研究科等があり,ほとんどすべての学問領域をカバーしています。しかも,これらの大部分が1つのキャンパスに集まっており,法学・文学・教育学等の文系研究科・研究院だけでなく,医学・工学・情報科学・理学・農学等の理系研究科・研究院で展開されている隣接科目も履修することができます。

このように,本学院では総合大学ならではの学際的なネットワークを活用することによって,幅広い視野を持った学生を育成する環境があります。

施設

研究科の特色イメージ(北大構内ローンの風景)本学院は,冷暖房設備,ネットワーク環境の整った大学院生研究室,情報処理室,図書室,印刷室,個人ロッカー,院生ラウンジを備えています。また,講義棟はマルチメディア対応の演習・講義室とワークステーションラウンジを設置しています。

キャンパスには,全国有数の規模を誇る附属図書館本館・北図書館と部局図書室16,食堂10余,書店2,学生寮2,北大病院,保健センター,スポーツトレーニングセンター,総合博物館などがあり,アクティブな知的探求と研究生活をサポートしています。

東京・丸の内に開設された「北海道大学東京オフィス」では,インターネット接続やミーティングも行うこともでき,ますます機動性が高まりました。

立地

研究科の特色イメージ(経済学部概観)北海道大学のキャンパスは,190万都市札幌の駅前という都心に,北海道の大自然をそのまま残す緑豊かな空間となって広がっています。

木々と芝生の間を奔る清流やクラーク博士像が立つ横に,本学院はあります。しかし,一歩キャンパスの外に出ると,道庁・官庁,企業本支社,百貨店・ホテルと,眠ることのないアクティブな都市空間が広がっており,JR札幌駅に最も近い大学院であると実感できます。

行政・ビジネス・消費のダイナミズムを前に,豊かな自然と歴史の中で研究にいそしむ,そんな環境に経済学院はあるのです。