北海道大学大学院経済学研究院・大学院経済学院・経済学部は,昭和22年(1947年)の北海道帝国大学法文学部経済学科の設立に端を発し,昭和25年(1950年)の法経学部経済学科,昭和28年(1953年)の経済学部の独立,平成12年(2000年)の大学院重点化を経て,平成29年(2017年)に今日の組織体制になりました。
教員組織としての経済学研究院は,現代経済経営部門(経済分析分野,社会経済・歴史分析分野,経済政策分野,経営分析分野)と会計情報部門(会計情報分野)の2部門5分野で構成されています。およそ40人の教員が所属し,マクロ及びミクロ経済学(都市経済学,国際経済学,労働経済学,金融経済学,公共経済学,環境経済学など),経済思想(経済哲学,社会理論など),経済史(西洋経済史,中国経済史,日本経済史,地域経済史など),統計学(数理統計学,計量経済学,時系列分析など),経営学(企業行動論,国際経営論,マーケティング,経営組織論,経営戦略論など),会計学(管理会計論,財務会計論,会計監査論,税務会計論など),オペレーションズ・リサーチ(最適化理論,コーポレート・ファイナンス論,ファイナンス論など)の幅広い領域で,先端の研究を進めています。
教育組織としての経済学院は,現代経済経営専攻と会計情報専攻の2つの専攻から構成されています。現代経済経営専攻では,修士課程(1学年定員35名)と博士後期課程(1学年定員8名)の研究指導が行われており,深い学識,幅広い知識,豊かな想像力を有する研究者・教育者だけではなく,経済社会の発展に有為な高度の専門的知識を有する職業人を養成しています。会計情報専攻は専門職学位課程(専門職大学院)として教育を行っており(1学年定員20名),高度な専門性,幅広い視野,職業倫理を備えた会計専門職を養成しています。経済学院の修了者は,大学の研究者の他,官公庁や民間企業,公認会計士などのプロフェッショナルとして,わが国だけでなく海外でも幅広く活躍しています。
そして,経済学部は,経済学科(1学年定員100名)と経営学科(1学年定員90名)の2つの学科から構成されています。両学科の垣根は低く,卒業のために必要な選択必修科目に差があるだけです。経済学部の教育の中心は,3,4年生の全員が必修で参加する演習(ゼミナール)です。各演習では,毎週,およそ10名の少人数の学生が協力し合いながら,専門書の輪読,活発な議論,コンピュータ実習などの濃密な時間を過ごします。その成果は,同じく必修の卒業論文として結実されます。卒業生は,大学院に進学する他,金融機関をはじめとする民間企業や官公庁に就職して,社会で有為に活躍しています。
学部の中で最も札幌駅に近く,それでいながら中央ローンや理学部ローンの緑に囲まれ,サクシュコトニ川のせせらぎをきく清らかな敷地,すぐ近くの旧昆虫学及養蚕学教室(明治34年(1901年)竣工)や古河講堂(明治42年(1909年)竣工)よりも新しい建物,最新の研究に勤しむ教員,世界から集まった大学院生,夢と希望にあふれる優れた学部生-これが経済学研究院・経済学院・経済学部です。